晩秋のシーズナルパターン (その11) 第II期【水温5〜12℃】ミノーの場合

2015年02月21日 11:00

まとまった量の雪が降ると、支笏湖の水温は12℃を切ります。通常、11月上旬にこれが起こります。12℃から5℃までが第II期です。


5回前の書き込みの写真をもう1回載せます。この写真のように、緑色や白濁が濃い状態で第II期が始まり、徐々に薄まっていくのがこの時期の特徴です。しかし、こうした白濁は、薄くはなっても、第II期の間は消えることがありません。


水温が12℃を切ったと同時に、水温躍層にいたブラウントラウトの一部が、第一陣としてシャローに差してくるようです。強い低気圧が北海道を通過し、雪や強風をもたらす度に、岸から狙えるブラウントラウトの数が増えていくことを実感します。この時期、夜釣りではコンスタントな釣果が得られているようです。湖岸で出会った方と立ち話した内容を総合すると、夜釣りの場合、この第II期に、ニナル川河口から苔の洞門までの範囲で、毎年コンスタントに5尾〜10尾程度の80cm台のブラウントラウトと、1尾前後の90cm台のブラウントラウトが上がっているようです。この夢があるので、南岸沿いの国道276号線は、この時期はあちこちで、夜な夜な、沢山の車が停車しています。

しかし日中は、とんでもなく苦戦します。この時期は、特に初期、ルアーに微かに触れる程度のショートバイトが続きます。運良く「乗った!」と思っても、食いが浅く、すっぽ抜けることばかりです。「水面直下のミノーに反応するブラウントラウトがいるのに、ショートバイトばかりでルアーが見切られる」第II期の、1つめの特徴です。ただし、辛抱強く通い込んでいると、徐々に、ルアーに口を使うブラウントラウトが増えることを実感します。

第II期のもう1つの特徴は「ブラウントラウトは気まぐれで、ウロウロ徘徊しているらしい」です。春の釣りの場合、同じエリアに何度も通えば、ブラウントラウトがルアーに反応する場所のほとんどが、限られた数カ所に集中することに気付きます。しかし晩秋のこの時期は、「ここで反応するはず」と確信できる場所のほとんどで、無反応です。しかし丁寧に探っていくと「なぜここで?」と思う場所で反応します。その上、反応する場所が釣行の度に異なります。こうした理由から「こいつら、ただ単に、ウロウロしているだけなのか?」と思うことが多いです。この傾向は、少なくとも水面直下のミノーの釣りの場合、この数年間で特に強くなりました。

第II期の3つめの特徴は「ランカーを獲るチャンス」です。この時期は渋いですが、運良く釣果に恵まれると、数尾に1尾、ランカーが混じります。2014年の私の場合、第II期に6回釣行し、20回の反応がありました。しかしフッキングしたブラウントラウトはたったの5尾。しかし2014年は運良く、そのうち1尾だけ76cmが混じってくれました。この期間に毎週通っていると、何度か「今のはデカかった...」と痛感するショートバイトやバラシを経験します。私の技量だと、限りなく100%に近い確率で、こうしたランカーを逃します。この写真の76cmの場合も、「獲った」と確信できる魚ではなく、運良く偶然釣れてくれた魚でした。


以上を一言でまとめると「第II期は難易度が高いからこそ、やりがいのある時期」と言えると思います。ただし、私自身はこの時期の攻略法を全く見出せていません。この時期は、ミノーのチョイ投げでも、かなりの数のランカーにミノーを見られていることを感じます。本来なら、ランカーを量産できていいはずの時期です。しかし、彼らに口を使わす術を持ちません。ですから「自分の下手さ加減を思い知らされる、1年間でもっともみじめな時期」でもあります。


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