方法:岸からの釣り
月齢:27
気温:日平均 –3.6℃ (–5.9~–1.2℃)
水温:2.7℃ (2.7~2.7℃)
時間:5時間半 (午前9時〜午後4時)
反応:0回
釣果:0尾
2017年の最初の釣行。年が明けて、3回目の支笏湖だった。しかし、車が4WD機能のないコンパクトカーのため、1回目は峠の猛吹雪で断念。2回目は駐車スペースの除雪が不十分で、車がはまりそうで断念。「釣りする暇があったら仕事しろ」という罪悪感もあった。この3ヶ月間、土日も職場にこもっていたが、いい加減、仕事も飽きてしまい、行き詰まってきた。「息抜きが必要」と痛感し、この日は金曜日だが有給を取って、三度目の正直の釣りだった。今の自分の釣りのスタイルが出来上がってから、2月の釣行は2回目。前回はショートバイトすらなかった。この時期の釣りを、今一つ理解できていない。
最初の釣行は、慣れた西岸の釣り歩きから始めたかった。しかし、美笛のゲートの駐車スペースに、15cm程度、柔らかい雪が積もっていた。自分の車では無理なので、断念。美笛をあきらめ、丸駒に向かった。
午前9時開始。付着藻類が多いので「ショートバイトで終わるかもしれない」と感じる状況だった。しかし、この時点では「1尾は絶対に獲る」と、根拠の無い自信を持っていた。当然、一番得意なミノーの釣り。
しかし、ショートバイトすらない。2時間釣り歩いて何もなし。ルアーを替えて、ブラウントラウトが付きやすい場所を中心にやり直したが、それでも、何の反応もなかった。「どういうこと?」。さっぱり分からなかった。
ここで帰ったら、何もヒントがなく終わる。「丸駒だけが悪いのか?、それとも他所もか?」だけでも、しっかり確認する必要があると感じた。そこで旧有料道路に移動。午後1時半に再開。付着藻類は全くなく、波も良い。ここで釣れれば「今日の丸駒が悪かっただけ」と判断できるし、ここでも釣れなければ「今日は何らかの原因で、支笏湖全域が低調だった可能性が高い」と判断できる。
ここでも、全く反応がなかった。ショートバイトも追尾も無かった。2時間半やったところで、水温を測定し忘れていることを思い出した。測ってみると2.7℃。「マジかっ?」と驚き、数カ所で5分ずつ使い、表示が落ち着くまで丁寧に測り直した。しかしやはり2.7℃。
これで「そいういうことか...」と状況が飲み込めた。駐車スペースの積雪から、この数日間で15〜20cm程度の雪が降ったのは間違いない。ライブカメラを見ると、前日は無風のべた凪状態でかなり雪が降っていた。写真はインターネット自然研究所 (http://www.sizenken.biodic.go.jp/) を引用。
水は4℃で密度が一番高くなり重い。それより暖かくても、冷たくても、水は4℃の上に浮き上がる性質がある。前日にべた凪の雪があったことを考えると、どうやら、水温2.7℃前後の冷たくて軽い水が、支笏湖の湖水にフタをするように覆い被さったと考えるのが妥当だと思う。
当然、ブラウントラウトもベイトも、より暖かい水を求めて、水温4℃まで上昇する水深に落ちてしまったのだろう。どう考えても、ミノーではなく、スプーンやメタルジグでないと釣りにならない条件に見える。
加えて、おそらく、釣りをしたエリアが最悪だった。この日は風速2〜3mの西風が終始吹いていた。ということは、東岸の旧有料道路に、冷たい水が吹き流されて、溜まっていたはず。水温4℃まで水温が上昇する水深が、旧有料道路は、この日の支笏湖で最も深かったはず。どう考えても、この日、旧有料道路は、絶対に釣りをすべきではないエリアだった。
この最悪のエリアで、こともあろうに水面から1m以内の浅い所で、ルアーを操作していたことになる。「ブラウントラウトが反応する・反応しない」の以前に、どう考えても「ブラウントラウトの視界にルアーが入っていないのは明らか」だと感じた。「今日の判断はバカ過ぎた」と痛感。有給などとらず、2.7℃の水が4℃の水に溶け込むのを待ち、普通に土日に来るべきだった。
ここで、昨年の釣行記録をiPhoneで確認した。昨年の釣り始めは3月20日。水温は西岸で4.3℃ (3/20)。東岸で4.6℃ (3/27)。いずれも、4℃より高い。「ミノーで楽しむには、水面付近の水温が4℃以上に転じ、水面が最も暖かい条件が必要」ということなのかもしれない。
今日の水温2.7℃の表示と、昨年の釣行記録の見直しから、ここに書いたようなイメージが一気に膨らみ「ミノーを使う限り、今日は、やるだけ時間の無駄」と確信を持てた。そのまま、午後4時に終了。
釣果どころか、反応もなかったが、2〜3月の支笏湖の釣りの教訓が得られた気がした。「このシーズンの最悪のパターンをやらかして、無反応を身をもって実感できた、良い勉強の1日だった。5時間半も投げ続けて無反応を確認したのは、それはそれで、価値があった。一つ賢くなったよ。」と自分に言い聞かせて、2017年の初釣りは終了。
気圧配置図は日本気象協会(http://www.tenki.jp/guide/chart/)を引用。