支笏湖2019年9月21日

2019年09月22日 15:15

「憂鬱な作業だが、シーズン前にやらなきゃいけない」と痛感して、3連休の初日、ロッドの比較を始めた。お昼前に支笏湖に到着。3時間ほど過ごした。水温は、旧有料道路とモーラップで19.8℃。米軍キャンプ場跡で19.4℃。平均で19.7℃。今年の9月の水温は、去年と比べて1〜3℃高い。例年と比べても1〜2℃高い印象を受けた。今年の暑い夏を反映しているようだった。


べた凪に近い米軍キャンプ場跡で作業した。


今まで25年近くかけて、コツコツ集めたロッドのうち、7ftから8ft半の、個性派ばかりのロッドをごっそり持ってきた。これで、リップレスのミノー (■脚注■ 面倒なので、この書き込み以降、ミノーのリップ折り・シンキングペンシル・小型のジグミノー・ゆっくり沈むミノー形状の小型のメタルジグ、全部「リップレスミノー」で総称することにします。) をただひたすら、トゥイッチしてジャークした。持ってきたミノーは9個。使えそうな3個と、試す価値がありそうな6個。ミノーとロッドの全ての組み合わせを試すのは不可能なので、興味本位で、可能な範囲の組み合わせを中心に試した。それだけでも、3時間がアッと言う間に過ぎた。


3時間、ラインスラッグを叩き続けた印象は「魑魅魍魎」だった。5時間とことん試す予定だったが、3時間でギブアップした。試すほど、訳が分からなくなった。

そんな中、前向きに「学べた」と感じられたことが3つあった。

1つめは、ロッドの「重さ」もしくは「持ち重り感」の大切さだった。下の写真の上のロッドは、去年買ったN&Mのトゥイッチンスペチアーレの7’7”。細くて軽くて、心地よい張りがある。ニナル〜オコタン間で4〜5g前後の軽いミノーの操作で抜群だった。6ftのフィネス用のバスロッドでしか出来ない繊細な操作が、7ft半の長さで出来る。朱鞠内湖のイトウ相手でも、ワカサギサイズの小さなミノーの操作で重宝した。適合ウェイトが2〜12gなので、10g前後のリップレスミノーも操作できると期待したが、全く駄目だった。ロッドが華奢過ぎて、ミノーの重みに負けてしまう。試したミノー全て、ゆっくりチョコっと動くだけ。「これじゃ支笏湖のブラウントラウトは絶対喰わない」という印象。



一方、写真の下のロッドはUFMウエダのサーフェストゥイッチャー8’1”。10年以上前に買ったロッドだった。持ち重りがひどく、ダルく、オコタン〜ニナル間で1回使ったが、繊細なトゥイッチの操作が全く出来ず、ミノーの動きも悲惨で、以来、二度と使わなかった。ところが、今日、10g前後のリップレスミノーを使うと、悪くなかった。「ロッドを重くすると、ロッドが仕事をしてくれる」という、バス釣りで有名な村上晴彦さんがよく語ってる台詞の意味を、この日「要するに、こういうことか...」と体感できた。10g前後のミノーを使う場合、「ゆったりしたワンピッチの操作」という条件が付くが、多くのリップレスミノーが及第点近いダートをしてくれた。このロッドに特有の持ち重り感に加えて、昔のロッド特有のダルさが、良い仕事をしてくれる。そんな印象を受けた。

2つ目。

さらに持ち重り感が強いロッドのうち、1本が、凄かった。下の写真の、すでに製造中止の、シーバスのジャーク専用のロッド。硬めのソリッドティップが付いた、かなり個性的なロッドだった。持ち重りがひどく、これも1回使ってやめた経験がある。それ以降、ただ巻きの釣りで使っていた。このロッドでのトゥイッチやジャークは、5年以上ぶり。

しかし、これを使ってリップレスミノーをトゥイッチすると、どのミノーも、リップがないのに、露骨に左右にダートしてくれた。他のロッドでは起きない現象だった。このロッドを使うと「水中ドッグウォーク」とか「テーブルターン」という表現が適切なアクションが出た。「マジかっ?」と驚いた。「リップレスミノーのトゥイッチやジャークの場合、こうもアクションがロッドに左右されるのか!」と、とことん学ばされた1本だった。

残念ながら、アクション(ミノーの左右への暴れ方)が激しい分、ラインスラッグを叩く際、ラインが張った瞬間に、ロッドを握る手に、強い引き抵抗が伝わる。リップ付きのミノーのジャーク並みの抵抗だった。多分、ミノーも水中で相当な波動を発しているはず。そんな訳で「よっぽど波が強く、よっぽど魚の活性が高くない限り、この方法では1尾も喰ってくれないだろうな...」という印象を受けた。このロッドさえ使えば、ブラウントラウトを激しく反応させるのは間違いない。しかし、餌ではなく、敵と見なされる。そんな感じ。今のところ、少なくとも支笏湖では、普段の釣りには使えない印象を受けた。


3つめ。

今日、たった1つだけ、良いことがあった。試した組み合わせのうち、下の写真の1つだけ「この動きなら、絶対にブラウントラウトは喰うだろ」と確信できるダートをした。ヒラを打つ動作と、滑るようなダートが組み合わさった、複合的なアクションだった。同じミノーでも、ロッドを替えたら駄目だった。同じロッドでも、ミノーを替えたら駄目だった。唯一、この組み合わせだけで「こういう武器が欲しかった」と思えるアクションのうち、1つが手に入った。この動きなら、6時間とか8時間、何一つ反応がなくても、ひたすら投げる自信が持てると感じた。こう思える奴が1つ欲しかった。これが、今日の最大の収穫だった。(■脚注■ 申し訳ないのですが、このミノーはオープンにできません。写真にはモザイクをかけています。)


「ロッドを替えながら、ルアーの動きを見る」という作業は、えらく退屈だったが、もう少し、これを繰り返す必要があると感じた。もう少し、武器になりえる候補を増やしたい。


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