2018年05月06日
春の湖の水温変化
久々に、陸水学の話題を書きます。春の湖についてです。日本の陸水学の教科書には載っていないデータで、春の湖の変化を分かりやすく教えてくれる内容があります。アメリカの五大湖の1つ、オンタリオ湖のデータです。(図はhttp://www. miseagrant. umich.edu /explore /about-the- great-lakes /lake-ontario/を引用、写真はhttps:/ /www.worldatlas. com/articles/ just-how-big- is-lake-ontario .htmlを引用)


冬期間は結氷する湖です。この点で、支笏湖とは異なっています。(写真はhttps:/ /www.worldatlas. com/articles/ just-how-big- is-lake-ontario .htmlを引用)

見てもらうのは、この湖の春の水温分布の変化です。まず、湖面の氷が解けた直後です。4月下旬のデータです。湖水は一様に2〜3℃です。支笏湖なら、3下旬〜4月中旬の、一様に4℃の湖水に対応すると見なせます。

オンタリオ湖の湖水に、春の訪れが明確に現れるのは5月初旬〜中旬です。岸近くで、水温が上昇し始めます。

岸近くで水温が上昇する理由は簡単です。シャローの存在です。太陽の光が、ボトムに届きます。底質が砂利だろうと砂だろうと岩だろうと、太陽の光は、このボトムを温めます。そこで、夜間でも、温まったボトムが「カイロ「もしくは「湯たんぽ」の役割を果たし、湖水を温めます。そこで、水深の浅いシャローから水温が上昇します。

現在の支笏湖は、この状態に入っていると思います。支笏湖を岸際から温める効果が高いのは、遠浅のシャローです。支笏湖なら、美笛、支寒内〜94km、大沢橋〜支笏小橋、支笏湖温泉街、旧有料道路の北側の砂浜〜ポロピナイの5カ所でしょう。現在、この5カ所が巨大な「カイロもしくは湯たんぽ」となり、支笏湖の岸近くの湖水を温めているはずです。
一方、ブレイクが岸から近過ぎて、シャローの「カイロもしくは湯たんぽ」の機能がほとんど働かないエリアもあります。典型は、ニナル河口〜フレナイ河口、それから、旧有料道路の第7覆道以南になります。例年、この2つのエリアは、水温の上昇が他のエリアより1〜3週間遅いです。
これから数週間もしくは1ヶ月の間は、ベイトにとってもトラウトにとっても、岸近くだけが、暖かくて居心地の良い場所になってきます。そして、岸際の水温が7℃前後になったところで、アメマスが大挙して岸際に押し寄せて来ます。その1〜2週間後には、ウグイが大挙して岸際に押し寄せてきます。5月の支笏湖は、魚もエビも生き物みんなが、暖かい岸際を求めてくると考えて、よいと思います。さらに、5月末になれば、ハルゼミが鳴き始めます。
オンタリオ湖に話を戻します。6月に入ると、岸際で温められた湖水が、徐々に沖に広がっていきます。暖かい水は軽いです。ゆっくりと、湖面を滑るように、沖に広がります。

そして、最終的に、湖面が暖かい表水層で覆われ、深水層と分離し、水温躍層の形成が完了します。

この時点で、トラウトの釣りはレイクトローリングやボートからのバーティカル・ジギングの独断場となります。このダイナミックな変化は、支笏湖では、多分6月〜7月上旬に起きているだろうと、考えています。
こうした湖の変化を意識しながら、釣れるルアーや操作法の変化を感じられるようになると、春から初夏の支笏湖は、もっと楽しくなると思います。私は仕事の都合上、このシーズンはなかなか釣行できませんでした。しかし、今年からは、春のシーズナルパターンを探していきたいと考えています。


冬期間は結氷する湖です。この点で、支笏湖とは異なっています。(写真はhttps:/ /www.worldatlas. com/articles/ just-how-big- is-lake-ontario .htmlを引用)

見てもらうのは、この湖の春の水温分布の変化です。まず、湖面の氷が解けた直後です。4月下旬のデータです。湖水は一様に2〜3℃です。支笏湖なら、3下旬〜4月中旬の、一様に4℃の湖水に対応すると見なせます。

オンタリオ湖の湖水に、春の訪れが明確に現れるのは5月初旬〜中旬です。岸近くで、水温が上昇し始めます。

岸近くで水温が上昇する理由は簡単です。シャローの存在です。太陽の光が、ボトムに届きます。底質が砂利だろうと砂だろうと岩だろうと、太陽の光は、このボトムを温めます。そこで、夜間でも、温まったボトムが「カイロ「もしくは「湯たんぽ」の役割を果たし、湖水を温めます。そこで、水深の浅いシャローから水温が上昇します。

現在の支笏湖は、この状態に入っていると思います。支笏湖を岸際から温める効果が高いのは、遠浅のシャローです。支笏湖なら、美笛、支寒内〜94km、大沢橋〜支笏小橋、支笏湖温泉街、旧有料道路の北側の砂浜〜ポロピナイの5カ所でしょう。現在、この5カ所が巨大な「カイロもしくは湯たんぽ」となり、支笏湖の岸近くの湖水を温めているはずです。
一方、ブレイクが岸から近過ぎて、シャローの「カイロもしくは湯たんぽ」の機能がほとんど働かないエリアもあります。典型は、ニナル河口〜フレナイ河口、それから、旧有料道路の第7覆道以南になります。例年、この2つのエリアは、水温の上昇が他のエリアより1〜3週間遅いです。
これから数週間もしくは1ヶ月の間は、ベイトにとってもトラウトにとっても、岸近くだけが、暖かくて居心地の良い場所になってきます。そして、岸際の水温が7℃前後になったところで、アメマスが大挙して岸際に押し寄せて来ます。その1〜2週間後には、ウグイが大挙して岸際に押し寄せてきます。5月の支笏湖は、魚もエビも生き物みんなが、暖かい岸際を求めてくると考えて、よいと思います。さらに、5月末になれば、ハルゼミが鳴き始めます。
オンタリオ湖に話を戻します。6月に入ると、岸際で温められた湖水が、徐々に沖に広がっていきます。暖かい水は軽いです。ゆっくりと、湖面を滑るように、沖に広がります。

そして、最終的に、湖面が暖かい表水層で覆われ、深水層と分離し、水温躍層の形成が完了します。

この時点で、トラウトの釣りはレイクトローリングやボートからのバーティカル・ジギングの独断場となります。このダイナミックな変化は、支笏湖では、多分6月〜7月上旬に起きているだろうと、考えています。
こうした湖の変化を意識しながら、釣れるルアーや操作法の変化を感じられるようになると、春から初夏の支笏湖は、もっと楽しくなると思います。私は仕事の都合上、このシーズンはなかなか釣行できませんでした。しかし、今年からは、春のシーズナルパターンを探していきたいと考えています。