2014年08月23日
月齢の基礎知識 (その4)

トラウトの釣果と月齢の関係を理解する上で、重要な項目の2つめは「月のある夜と月の無い夜を区別する」ことの大切さを理解することです。
この説明の導入には、私の経験を書くのが適切に感じます。十数年ほど前の4,5年間、私はブラウントラウトを狙った夜釣りにはまっていました。当時、私が主に使っていたルアーは、ラパラのシャローファットラップSFR5とHMKLのK-0ミノーでした。使い方は簡単です。SFR5はアクションするかしないか程度のスピードで、K-0ミノーは速めに、ただ巻きするだけです。ともに、水面の釣り(トップウォーター)です。
夜釣りを始めてから数回程度で、月の有無の影響に気付きました。この2つのルアーにブラウントラウトがバイトするのは、月がない時間帯だけでした。東の空から月が現れて湖面が明るく照らされた途端、バイトが完全になくなります。逆に、月が西の空に沈んだ途端に、いきなりバイトが連発し始めます。この2つのルアーを使った水面の釣りでは、夜空に月があると、完全に無反応になります。
この経験は衝撃的でした。人間は1日を「日中」と「夜」に2分割します。

しかし夜の水面(トップウォーター)の釣りの経験から、ブラウントラウトにとっての1日とは「日中」と「月のある明るい夜」と「月のない暗い夜」の3つに分割されているらしい...と確信するようになりました。

月の基本をまとめます。まず「月齢」とは、新月から経過した日数のことです。新月で月齢は0となります。新月の15日後(月齢15)が満月です。新月の29〜30日後に再度、新月に戻り、月齢が0にリセットされます。
明るい夜と暗い夜には2つの簡単な規則性があります。第一に、明るい夜と暗い夜の時間は、月齢の29〜30日の周期に従い、時間が変化します。実例を以下の4枚の図で示していきます。いずれの図も、国立天文台 天文情報センター 暦計算室
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
で計算した、2014年4〜9月の札幌のデータを用いています。
まず、この期間(2014年4〜9月)の夜の長さの経時変化を示します。夜の長さは、夏至(6月21日)で最も短くなります。

次に、月のない暗い夜の時間の経時変化を示します。暗い夜の時間は、月齢の29〜30日の周期に従い、長くなったり短くなったりします。暗い夜の時間の極大値が新月です。

次に、月のある明るい夜の時間の経時変化を示します。明るい夜の時間も、月齢の29〜30日の周期に従い、長くなったり短くなったりします。明るい夜の時間の極大値が満月です。

最後に、上の2つの図を併せたものを載せます。この図は、明るい夜主体の夜と、暗い夜主体の夜が、月齢の29〜30日の周期に従って交互に現れることを示しています。

明るい夜と暗い夜には、もう一つの簡単な規則性があります。それは、明るい夜と暗い夜が現れる順序です。新月から満月にかけての期間(月齢0〜15)は、日没後、最初に(1)明るい夜がやってきて、次いで(2)暗い夜がやってきます。

満月から新月の期間(月齢15〜29 )は、最初に(1)暗い夜がやってきて、次いで(2)明るい夜がやってきます。

以上をまとめます。明るい夜と暗い夜は、月齢の29〜30日の周期に従って、その時間や順序が、周期的に変化します。
最後に推論の話をします。もし、ブラウントラウトの夜間の行動(ベイトを捕獲するための具体的な戦略)が明るい夜と暗い夜で異なるのであれば、ブラウントラウトの1日の行動パターンが月齢に応じて周期的に変化する可能性があります。
バーニー・テイラーは、この暗い夜と明るい夜の周期性が、渓流や湖の生態系、そしてトラウトの行動に29〜30日の周期をもった月齢のサイクルに対応したリズムを与える究極的な原因だと解説しています。
Posted by 寅 at 04:00│Comments(0)
│トラウトの釣果と月齢
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