ナチュログ管理画面 淡水釣り 淡水釣り 北海道・東北 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2014年05月30日

アメリカ流のお気軽トローリング入門

真面目なトラウト・アングラーだったら、トラウトにはまりだして数年のうちに、こう認識し始める。「大物を手にするならレイク・トローリングだ!」って。もちろん、陸っぱりでルアーを投げたって、フライでも、投げ釣りだってランカーは釣れる。だけど、日に日に明らかになってくる...。もしたった一つだけの方法に絞るなら、レイク・トローリングに賭けるのが最上の方法だ。

■ 初心者用のロッドとリール ■

アメリカのお気楽アングラー達は、たいていスピニングリールを愛用してるんで、まずはこのタックルでトローリングすることを考えてみよう。もしトローリングが君に向いてると思うなら、そしたら、もうちょっといい道具を買えばいい。

まず最初、スピニング・タックルでトローリングを始めるなら、ラインを普段より太くした方がいい。替えスプールを持っているんだったら、1つのスプールには4ポンドラインを巻いたらいい。これは、キャスティングの釣りや、トップ・ラインのトローリングに使える。もう1つのスプールに6~8ポンドのラインを巻きなさい。これは大きなルアー用で、それから潜行板のセットを買えばなお良し。で、潜行板の先には6ポンドのリーダーを結ぶ。

替えスプールが無いんだったら、オールマイティーにやらなくっちゃいけない。6ポンドのラインを巻きなさい。2ポンドとか4ポンドといった、ウルトラライト・タックルで使ってたラインは、トローリングの最中にでっかいトラウトがかかった時の衝撃や伸びに、そのうち耐えられなくなる。それからロッド。6フィートから7フィートの、ライト・アクションからミディアム・アクションのロッドなら使いものになる。

■ もうちょっと投資するなら.. ■

もし君が真面目にレイク・トローリングに取り組む気があって、できれば洗練されたアプローチをしたいっていうんなら、せめて、そこそこの値段のベイトキャスティング・リールを買いなさい。ペンのレベルマティック・モデルの#920、#930、#940あたりはどうだろう?。それか、ペン・インターナショナルの#955、#965だったら、上出来のドラッグが付いてて、5kg以上のトラウトとも対等にやりあえるだろう。こうしたベイトキャスティング・リールにはレベル・ワインド機構もついていて、ラインを均一にスプールに巻くことが出来る。

やっぱり、スピニング・リールではラインの糸よれが心配だ。ベイトキャスティング・リールなら、その点が安心。

それからベイトキャスティング・リールのもう一つの長所は、ドラッグがハンドルに付いている点だ。この星形のドラッグがあると、どんなに良く出来たスピニングリールよりも、スムースに正確にドラッグ調整が出来る。細かい微調整も簡単なので、6~8ポンドの細いラインを使ってもランカー・トラウトとやり合うことが可能になる。それから、5:1かそれ以上のギヤ比のベイトキャスティング・リールなら巻き取りが早いんで、何本も竿を出してる時には、特に重宝する。良質のベイトキャスティング・リールは値段もそれなりだけど、強いし正確だし、最低限のメンテナンスで何年も長持ちする。だから絶対に投資しただけの価値がある。それは絶対間違いない。

このリールに適したロッドは、5フィート半から6フィートのベイトキャスティング用のワン・ピースのロッド。ツー・ピースと比べて強度がある。グラスファイバーでもグラファイトでもそんなに大差はないと思う。万能性を求めるなら、ライト・アクション気味の、感度の高いグラファイトのバス・ロッドがいい。他の釣りにも使える。

■ トロールすべきポイントは何処? ■

初心者はけっこう「トローリングはランダムなアプローチをするもの...。」って誤解しやすいんで注意が必要だ。初心者は湖をちらっと見ただけで、すぐに桟橋から出船してしまう。というのも「何処を見たって同じようにしか見えないから、どこから始めたって一緒だろ?。」って考えるからだ。しかし熟練したアングラーは出船の前に、実にサイエンティフィックなゲーム・プランを立てている。陸っぱりで釣りをするのと同様で、トラウトと出会えるチャンスが大きい場所、潜在性を秘めた場所、ってのは確かに存在する。

切り立った絶壁に横たわる、深い青緑色の深みは、まず最初に狙うべきポイントだ。リザーバーの場合、こうした深みの底は、かつて渓谷だったり、水路だったり、川底だったりしていた可能性がある。トラウトは、そんな絶壁の真ん中あたりにサスペンドして、餌をうろうろ探している可能性が高い。

ウィード・エリアの沖側の端も、レイク・トローリングでいい思いをしやすいポイントだ。特に早朝がいい。ここではトラウトはウィードの間に身を隠して、ウィードの端を獲物が何にも知らずにやって来るのをじっと待っている。それから、ダム周辺や、湧水の湧き出ている場所、それから小さな流れ込み付近もいいポイントとなる。

湖の中心へ行きがちなアングラーが見落としやすいのは、入り江の出口、シェードで覆われた陰の切れたところ。こんなところは、風が吹いている時に赤マル・ポイントとなるので、私は特に好んでトロールする。それから風と波が出てきたら、それを遮るような岬には、昆虫やベイト・フィッシュが寄せ集められやすい。そこで、より安易に餌を食べたいトラウトが集まってくる。

最後に、春から秋にかけての期間、ほとんどの湖は、基本的に3つの層に別れることを指摘しておく。上層部(epilimnion)と下層部(hypolimnion)はほとんど生命活動の見られない領域である。そこで、その間のサーモクラインと呼ばれる領域の中をルアーが移動するように努めなさい。サーモクラインはだいたい5mから15m位の深さのところに現れる。

サーモクラインはトラウトの餌が豊富に存在する領域である。特にベイト・フィッシュがここに集中している。それから溶存酸素濃度もサーモクラインが一番高い。これを肝に銘じておきなさい。サーモクラインの上も下も、いわば『死の水』である。上は暑苦しく、下は息苦しい。だから、ルアーが泳ぐのがサーモクラインより浅すぎても深すぎても、トラウトは見向きもしてくれないだろう。

■ トローリングの基本的な戦略 ■

陸っぱりで釣るときは、誰でも移動したり、リトリーブ法を変えたりするだろう。トローリングもまったく同じ。トロールするパターンをいろいろ替えてみるのが重要だ。初心者にありがちなのは、同じルアーで、同じスピードで、何度も同じポイントを「今度こそ!今度こそ!」と往復することである。

時にはジグザク航行、もしくはS字航行を試みてみよう。一直線の航行では不可能な、いろんなアクションが生まれて、しかもそのアクションの1つが、トラウトのバイトを誘う可能性がある。前章までに述べてきた、ルアーの動かし方の説明や、ベイトフィッシュの動きが突然変化する説明を思い出して欲しい。そうした法則は、トロールする時でもちゃんと成立する。例えばS字航行の場合、内向きにカーブするときはライン・スラックが出てルアーのアクションが弱まり、外側にカーブする時はラインが張りつめてルアーのアクションが強まる。しばしば、こうした変化の際に、トラウトは猛然とルアーに襲いかかったりする。

トロールしている最中にトゥイッチするのもいいだろう。すでに述べたように、トゥイッチはミノーを使っている時に有効である。同様に、時たま、突然加速したり減速したりするのも効果的である。その時ミノーは、あたかも、突然あわててパニック状態で逃げ出そうとするベイトフィッシュに見えるかもしれない。この方法は、船外機だってエレキだって、オールを自分で漕いでる時だって出来る方法である。

それでは次に、カリフォルニア州でのレイク・トローリングの主要なテクニックのいくつかを、もっと詳しく解説していきたい。まずは一番簡単なのからいこう。フラット・ラインもしくはトップ・ラインである。

■ フラット・ライン(トップ・ライン) ■

フラット・ライン(トップ・ライン)は表層中心のトローリングだ。この方法は専門の道具をほとんど必要としない。スピニング・タックルでもベイト・タックルでも、持ってるのを使えば十分。もちろんベイト・タックルなら糸撚れを最小限に食いとどめる。どっちのタックルでも4ポンドか6ポンドのラインを巻く。

フラット・ラインのトローリングの場合、ラインに結ぶのはお気に入りのルアーただ一つ。そしてラインを15mから30mほど出す。出したラインが長いほど、ルアーはよく潜る。しかし、ラインを長く出すほどロッドの受ける抵抗が大きくなる。これはフッキング率の低下を招くことを覚えていて欲しい。それからルアーの1m手前にボール・ベアリングのしっかりしたスイベルをつけておけば、糸縒れ防止になる。

ほとんどのアングラーは表層1m以内をフラット・ラインしている。で、夜明けか夕暮れの最も攻撃的なトラウトを狙う。ウェイトを使えば深い層も狙えるから、日中だってフラット・ラインするのは可能だ。フラット・ライニング用のウェイトが販売されている。特にTroll Ease (下の写真右) は卵形の中通しオモリを付けたり外したりして重さを調整できるので便利だ。こいつに6ポンドのリーダーをつけてお気に入りのスプーンかスピナーを結べばいい。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


トローリング専用の、軽くて薄いスプーンが販売されている。Needle Fish (下の写真の左) やTriple Teaser (下の写真の右)がそれで、こいつを6ポンド・ラインでスローに引くと、慌てふらめいたようなダンスを披露してくれる。この薄っぺらい2つのスプーンは年中いつでも有効だ。このスプーンで成功するコツはただ一つ。S-L-O-W-L-Y !。Needle FishもTriple Teaserもシングル・フックを装着して販売されている。シングル・フックの使用をためらうアングラーもいるが、それは誤解だ。トレブル・フックより、フッキング率が絶対にアップする。これは、フッキングの瞬間にテコの原理が働くからだ。一方、トレブル・フックだと吐き出される事が多い。それから、このとんでもなく軽いスプーンの動きを、重いトレブル・フックだと殺してしまう。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


フラット・ラインで使えるルアーは、これ以外だと、各種スピナー、それからKrocadile、Phoebe、Z-Ray、Lil'Cleo、Super Duperといったスプーンがいい。それから、FlatfishやKwikfishといったバナナ・プラグもフラット・ライニングでは効果的だ。

■ 潜行板 ■

水面より深いところを狙いたければ、潜行板を使うといい。Luhr-Jensen社のPink LadyやLes Davis Deep Sixが人気だ (下の写真は、左からJet Diver、Pink Lady、Les DavisDave Six、Display Diver) 。こいつをラインに結んで、リーダーをつけてルアーを結ぶ。仕掛けはこれだけ。これを引っ張れば、グイグイと水中深くに潜り込んでいく。潜行板なら、フラット・ライニングより更に深い層を攻略できる。潜行板を使えば、ダウン・リガーみたいな重たいオモリを引っぱり回す必要もない。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


潜行板はプラスチックの板と数十グラムのオモリから出来ている。それだけの道具なのに、ルアーを水深30m以上の深さまで連れていってくれる。フラット・ライニングでこれをやろうと思ったら、500gか1kgの鉛が必要だ。

魚がかかると、潜行板は水面を向く。そこで、魚とファイトしてる最中、潜行板による引き抵抗は小さくなる。

一般的なトローリングには、潜行板は小さい方がいい。潜行板が潜るときには、ラインとロッドにすごい引き抵抗がかかる。だからラインは10ポンドから15ポンドがいい。ロッドも硬いのがお勧めだ。リーダーだけは6ポンドがいい。

もし君が潜行板をサイエンティフィックに使いこなしたければ、ライン・カウンターを使いなさい。ラインを何m出したときにトラウトがヒットしたかを教えてくれる。これさえあれば、何回だって、その日のストライク・ゾーンに挑戦できる。

■ レイク・トロール ■

レイク・トロールは、細いワイヤ・ラインにキラキラに磨かれたブレードが何枚か並んでいる。これは、トラウトの群れが餌に群がっているところを再現する道具である。こいつを見たトラウトは「俺も!俺も!」と興味津々で寄ってくる。レイク・トロールの後ろに6ポンドか8ポンドのリーダーを50cmから1m延ばし、そこにルアーをつける。メイン・ラインは6ポンドから15ポンドがいいだろう。

レイク・トロールを「カウ・ベル(Cowbell)」と呼ぶトラウト・アングラーがいる。でも、この呼び方は誤解である。Cow Bellはあくまでレイク・トロールのうちの一つのタイプを指している。レイク・トロールには、Cow Bell以外に、Dave Davis、Bolo、Ford Fenderなんかがある。それぞれが、特徴的なブレードの配置を持っている。そして、湖の状況によって、使い分ける必要がある (下の写真は上から、Dave Davis、Standard Cow Bell、Bolo、Ford Fender、Willow Leaf) 。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


レイク・トロールの詳細をもう少し解説したい。レイク・トロールを選択する時、まず大切なのがブレードの形状だ。Cow Bellのように丸いブレードは、ゆっくりワイドな動きをする。細めのウィロー・リーフ型のブレードは、よりタイトな動きをするんで、ハイ・スピードのトローリングに向いている。一般に、細目のブレードは丸形よりも振動が激しい。それから、Boloタイプの振動も最高の効果が期待できて、濁り気味の湖で効果的だ。

次にブレードの大きさ。でっかい湖で深いところを狙うなら、大きなブレードがいい。小さな湖や標高の高い湖なら、小さいブレードがいい。ブレードの数が多いほど、より深い水深で働く。浅い層やクリア・レイクを狙うなら、ブレードの数は少なめがいい。

濁り気味の湖なら、真鍮や銅でメッキしたブレードが効果的だ。澄んだ湖ならニッケルかプリズム・タイプがいい。何種類かのブレードを用意しておくこと。そして、湖のコンディション次第で一番効果的なのを選んで欲しい。

時々、ショック・アブソーバーが必要なときがある。これがあれば、ライン・ブレイクを防ぐことが出来る。ショック・アブソーバーはゴム性チューブの両側にスイベルが付いている。チューブの中にはコイルしたラインが仕込んである。そこでトラウトがストライクした時、ショック・アブソーバーが伸びて、その衝撃を緩和してくれる。1kgや2kgのトラウト中心の湖なら、ショック・アブソーバーは必要ない。しかし、トロフィー・クラスのトラウトがいる湖なら、一種の保険と思って、ショック・アブソーバーを使うべきだ (脚注:JGFAやIGFAの記録を狙う場合は、ショック・アブソーバー使用は反則)。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


適切なレイク・トロールを選択できたら、今度は、その後ろに何を結ぶか?。もし私がたった一つだけの解答を与える必要があるなら、正直言うとルアーは薦めない。レイク・トロールの後ろには、半分に切ったミミズが最高の効果を発揮する。50cmから1m程度の6ポンドのリーダーにシングル・フックを結び、そこにミミズを直線状につける。肝心なのは「半分に切った」という点だ。半分に切ることでミミズの効果は倍増する。レイク・トロールの後ろで、半ミミズは魅力的に身悶えしながらアクションする。この動きに、トラウトは完全に我を失ってしまう。もし丸々一匹のミミズを使うと、トラウトは怖じ気付き、ショートバイトが増える。また、ミミズを直線状ではなく塊状に針に刺すと、官能的なアクションが消えてしまう。

もちろんルアーとレイク・トロールの相性もいい。レイク・トロールの後ろには特に、スピナーやよくウォブルするスプーンがいい。特にNeedle Fishとレイク・トロールの相性は抜群である。Needle Fishのシングル・フックにミミズを付ければ、なおのこと良し。このセッティングには6ポンドのリーダーが適している。

もう一つの選択肢は、フライ、とりわけストリーマーだ。レイク・トロールとの相性のいいストリーマーは、Woody Worm、Wooly Booger、Gridle Bug、Muddler、Joe's Hopper等だ。

■ フライを使ったトローリング ■

ストリーマー以外、ドライ・フライやウェット・フライを使って、トローリングのレパートリーを広げてみよう。こうしたフライをゆっくりとトロールすれば、ナイス・サイズのトラウトを手に出来るはずだ。あるアングラーは2ポンドか4ポンドのラインに、ドライ・フライやウェット・フライを直接結んでいる。で、フライだけでは軽すぎてキャスト出来ないから、手で15mから30mほどリールからラインを引き出す。重要なのは、とりわけゆっくりとトロールすることである。この伝統的な方法は、時には、ニンフやストリーマーを使っても有効だ。

前述した、透明のウキにフライをセットした仕掛けをトロールするのも効果的だ。この場合も、超低速トロールが必須となる。

フライを使ったトローリングをする場合、もし君がフライ用のタックル(ロッドにリール)を持ってるなら、それを使った方がいい。ロッドは7フィートから8フィートが扱いやすく快適だ。フローティング・ラインが使えたらなお良し。ほとんどのストライクは、水面直下で起こる。そこで、フローティング・ラインならアタリをとるのも簡単だ。

フライを使ったトローリングは、山岳地帯の湖で、ゴムボートやカヌーを使うときに、特に効果的だ。オールやパドルを使えば、この方法にぴったりの速度を維持できる。しかも、君が完璧なフライ・フィッシャーマンである必要もない。ド素人でもお気楽アングラーでも十分に、この方法を楽しめる。

■ レッドコア・トローリング ■

ここ数十年の間、広く人気を勝ち得たのは、レッドコア・ラインをつかったトローリングだった。この方法は、専用のタックルが必要となる。

レッドコア・ラインは鉛のワイヤーを編み糸で包み込んだラインである。ルアーをより深い層を引くための、トローリング専用のラインだ。10ヤードおきにラインの色が異なる。そこでアングラーは、ラインの長さを「何色」という表現をする。レッドコア・ラインは、ナイロン・ラインと比べて直系がかなり太い。IzorlineやGudebrodといった大手のメーカーから、12ポンド、18ポンド、27ポンドの三種類が販売されている。カリフォルニアのほとんどの湖に対応できるのが18ポンド・ラインで、私はこれを強く推薦したい。12ポンド・ラインはなかなか沈まないのが難点である。18ポンドは中心の鉛が12ポンドより多く、しかも編み糸の量は変わらない。そこで、沈みがいい長所がある。27ポンドは単純に太すぎる。かなり大きくて重たいリールが必要となる。

とはいえ、18ポンドのレッドコア・ラインですら、18ポンドのナイロン・ラインに比べ、かなり太い。そこで、このラインを100ヤードは巻けるリールが必要だ。バス・フィッシングで使うベイト・キャスティング・リールは役不足。この深遠な釣りを実行するには、海釣り用のリールが必要不可欠である。ペンの#209はレベル・ワインドも付いていて、人気のある機種である。しかし、レッドコア・トローリングに真剣に取り組んでるアングラー達は、より軽く、より優れたドラッグ・システムをもったリールに投資している。これなら安心して5kg以上のレインボーやブラウンとやり取り出来る。筋金入りのトラウターにお勧めなのが、グラファイト・フレームとステンレス製の部品からなるペンの310GTiと320GTiだ。これなら18ポンド・ラインを200ヤード巻くことだって可能だ。それ以外、ダイワやアブの海釣り用のリールもお勧めできる。購入の際には、スプールの材質を確認すること。プラスチック製はだめ。金属製が絶対いい。

あるレッドコア・マニアは、5フィート半から6フィート半のジギング用の硬めのワンピース・ロッドを好んで使用している。普通のアングラーは、軟らかめのチップをもった7フィートから8フィートのロッドを使っている。無難な選択は、ちょっと硬めのパラボリック・アクションの、スチール・ヘッド用のロッドや、レッドコア専用のロッドだろう。長めのロッドを愛用する人達は、ロッドが長い程、ボートの航跡からルアーを離すことが出来ると考えている。

カリフォルニアのほとんどのアングラーは、レッドコアを6色か7色程度出してトローリングすることが多い。レッドコア・ラインの先端に、ナイロンの6ポンドを1m程度、リーダーとして結ぶ。リーダーの先端には、スプーンでもスピナーでもミノーでもバナナ・プラグでも、お気に入りのルアーを結ぶといい。多くのローカル・アングラーは、Needle FishとTriple Teazerを選択する。彼らに言わせると、レッドコアとこのスプーンの組み合わせは「パンにバターを塗る」のと同じ位の、当然の組み合わせだそうだ。

晩春以降、トラウトが深いサーモクラインまで潜ってしまう時期、レッドコア・トローリングはカリフォルニアののアングラーにとって、唯一の頼るべき戦略だ。この方法を使うには、特に小難しいテクニックが必要という訳ではない。だから、暖かい季節には、この方法の導入を考える価値がある。

■ ダウンリガー ■

この10年ほどの間に、レッドコア・トローリングはめっきり減り、逆にダウンリガー・トローリングがレイク・トローリングの主役となってきた。ダウンリガーを使えば、レッドコアよりも更に深い水深を攻めることが可能だ。ダウンリガーを使ったレイク・トローリングは、もとは、北太平洋の海のサーモン・フィッシングの方法が流用されて始まったのだが、今や完全に定着した。

カリフォルニアの場合、盛夏から初秋にかけて、表層の水温が70Fまで上昇する。トラウトは、より快適なサーモクラインを求めて、湖中深く潜ってしまう。サーモクラインは8mから20m位の水深に形成される。ダウンリガーを使えば、この水深までルアーを簡単に沈めることが出来る。

多くの初心者は、2つの理由から、ダウンリガーの使用を躊躇してしまう。第一に、それに必要な装備が大がかりで、過度にテクニカルで、多くの初心者をびびらせてしまう。第二に、2kgも3kgもあるウェイトを使うのは、スポーツ・フィッシングらしくない。どこか、漁師っぽい..。しかし、ここで、その誤解の仮面を剥いでしまおうじゃないか。

まず最初。ダウンリガーの道具立ては、全然複雑じゃない。理解も容易だ。君のルアーは直接、君のスピニング・タックルもしくはベイト・タックルに直接結ぶだけだ。で、君のナイロン・ラインの途中一か所を「ライン・リリース」っていう名前のクリップで留めるだけ。ラインリリースは普通はダウンリガー・ウェイトについている。
アメリカ流のお気軽トローリング入門


ルアーを結んだラインを十分に出して、ライン・リリースに留めたら、馬鹿でかいウェイトをお望みの深さまで沈めていく。ダウンリガーにはライン・カウンタが付いているから、ウェイトが何mまで沈んだかもすぐ分かる。

多くの初心者が、ダウンリガーに関して誤解しているのは「トラウトと一緒に、あの馬鹿でかいウェイトともファイトしなくちゃいけない..。」ていう点だ。それは全くの誤解。

トラウトがヒットすると、君のナイロン・ラインはライン・リリースから外れる。そこで、君はダイレクトにトラウトとファイトできる。これはとっても重要な点だ。馬鹿でかいウェイトは、元のまま。ナイロン・ラインだけが外れる。だから、ダウンリガーを使えば、重たいレッド・コア・ラインも潜行板もウェイトも、君とトラウトの間の全ての邪魔者が消え失せる。君たちの間には、君がリールに巻いた6ポンドか8ポンドのラインがあるけだから、トラウトの引きを完全に楽しめる。もし君がレッド・コア・トローリングをやったことがあるなら、このメリットがどれだけ魅力的か分かるはずだ。40cm以下の小さなトラウトだと、魚とやり取りしてるのか?、重たいレッド・コア・ラインを巻き上げてるだけなのか?さっぱり分からないのがレッド・コア・トローリングの馬鹿らしさだった。今や君は、その不自由さから完全に解放される。

トラウトが掛かったら、パートナーに頼んで、ダウンリガーの馬鹿でかいウェイトは巻き上げてもらうといいだろう。最後の取込みの時、余計なライン・トラブルを引き起こす可能性がある。ライン・カウンタが付いているから、また同じ深さにルアーを潜らせることが出来る。

ベテラン・アングラーはダウンリガーに魚探を組み合わせる。魚探があれば、トラウトの泳層(サーモクライン)が分かるから、ダウンリガーを使って、そこを直撃すればいい。この方法は、レインボーやブラウン、ブルックに効果的だ。

タックルは、基本的にはどんなロッドでどんなリールを使おうと構わない。持ってる奴でいい。多くのアングラーは、ミディアム・アクションの、ロッドホルダーに挿してトロールした時に、そんなに簡単には曲がらないロッドがいいと考えている。しかし、ファイトするときの楽しさを優先させたいアングラーはウルトラ・ライトのロッドを使っている。ほぼどんなスプーン、スピナー、プラグでもダウンリガーでは使える。いろんな実験をやってみるといい。ダウンリガーでは、かなり深い水深でも狙えるので、そんなところにいるトラウト達は、生まれて初めてルアーを見るかもしれない。そんな理由から、少しサイズが大きいルアーをお薦めする。ビッグ・トラウトは、深い水深では警戒心を解いている。そこで、ビッグ・ルアーにストライクしやすい。




このブログの人気記事
2021年3月18日
2021年3月18日

2021年1月11日
2021年1月11日

2021年2月23日
2021年2月23日

2020年11月26日
2020年11月26日

2021年1月9日
2021年1月9日

同じカテゴリー(USAの記事から)の記事画像
アングラーのための陸水学入門
アメリカ流のスプーン入門
身もだえるニシン
ジョン・ビールの恐るべきフィンガージグ
A.C.プラグとスイムベイト
トロフィートラウト (その2)
同じカテゴリー(USAの記事から)の記事
 はじめに (2014-05-30 23:30)
 湖の釣りの心がけ (2014-05-30 23:00)
 アングラーのための陸水学入門 (2014-05-30 22:00)
 アメリカ流のスプーン入門 (2014-05-30 21:00)
 身もだえるニシン (2014-05-30 20:00)
 ジョン・ビールの恐るべきフィンガージグ (2014-05-30 19:00)

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
アメリカ流のお気軽トローリング入門
    コメント(0)